2020.09.28
現在、渋谷の街中でチラホラ見かける、矢印をモチーフにしたアート作品群。JRの高架下では巨大な壁画として描かれていたり、渋谷キャスト前では立体オブジェになっているなど、手法は違えどみんなどこか特定の方向を指しています。
実はこれらは、渋谷区も共催しているシブヤ・アロープロジェクトによるパブリックアートで、矢印(アロー)が示すのは、地震などの大きな災害が起きた時に退避できる安全な場所“一時退避場所”の位置なんです。
言葉の壁を超えて意味を伝えることができる“矢印のデザイン”を、平常時も楽しめるアート作品として区内の必要な場所に設置することで、国内外の来街者に一時退避場所の場所を認知してもらい、発災時の誘導を支援するものだとか。
そうした“矢印”を「未来と安全を示すサイン」と、独自の解釈で再構築するのは、ビジュアルアーティストのミック・イタヤさん。東京スカイツリー ソラマチの壁画が有名ですが、今回のプロジェクトでも新しい壁画アートを完成させました。
JRの高架下で見ることができるその作品は、同じ色調ながら異なるモチーフで描かれた2枚の壁画で、それぞれ《春の矢印》《夏の矢印》と命名されています。ちなみ、まだ未発表ですが《秋の矢印》《冬の矢印》もあるとか……。数多くの作品を残しているミック・イタヤさんですが、今回の作品も普段の制作の延長にあると言います。
「このプロジェクトに参加した理由は、都市生活者と訪問者にとって大切なサインだと感じたからです。そのため、街の中の永遠性を考えました。ただし、矢印の向き以外は普段の作品と異なる点はありません」
それでも、渋谷の街中でライブペインティングのように制作するのは、かなり新鮮だったようです。
「普段の制作は1人なので、同じ目的を持つアーティストとの繋がりが生まれたことが楽しかったですね。それに渋谷は、10代の頃から訪れている街。ミユージック、ファッション、デザイン、アートと、自分の原点の街でもあります」
ミック・イタヤさん、しりあがり寿さん、桑原茂一さん
若い頃から通い、自分のルーツとまで言いきる渋谷の街に残した壁画は、どこか神話の世界を感じさせる作品ですが、それはミック・イタヤさんが現在、個人的に進行しているプロジェクトにも関係しているそうです。
「最近は『新しい神話』をテーマにした作品を描き続けています。美の街と暮らしを生むのが目下の仕事。もちろん、作品を発表する予定もありますが、まだ不確定の要素が大きいので、決まり次第改めてお知らせしたいと思います」
もしかすると次の展覧会では、未発表作品の《秋の矢印》《冬の矢印》を、観ることができるかもしれません。その際は渋谷の街も訪れ、JRの高架下に壁面に並ぶ《春の矢印》と《夏の矢印》と見比べてみてはいかがでしょうか?
ミック・イタヤ/MIC*ITAYA:多摩美術大学卒。アーティストでありデザイナー。流麗な線で描く天使や女神たち、太陽や星の煌めきを愛する詩情豊かなフューチャーロマンティスト。 グラフィックデザインや空間美術のみならず、ファッションや音楽、照明器具などのインテリアなど、様々なフィールドで活躍中。代表作のひとつ、鏡の作品シリーズ《Mirrors》は世界中で話題に。http://www.micitaya.com
「Kita-Colle ART」の読者10名に、ミック・イタヤさんの作品のステッカーをプレゼントいたします。必要項目を記入の上、シブヤ・アロープロジェクト事務局宛(shibuya-arrow@prk.co.jp)でメールにてご応募ください。応募期間は10月11日(日)までです!
プレゼント商品:シブヤ・アロープロジェクト『ミック・イタヤ』ステッカー
【応募要項】
件名には「キタコレ!アート ステッカープレゼント①係」と記載の上、shibuya-arrow@prk.co.jp へ下記の内容をお送りください
なお当選発表は発送をもってかえさせていただきます。メールにてお預かりしました個人情報は適切に管理し、プレゼントの発送及びそのご連絡を目的として使用させていただき、第三者に提供することはありません。
プレゼントに関する問い合わせ先:03-3263-5628(シブヤ・アロープロジェクト広報事務局)